大竹伸朗~一見がらくたと思われるものに価値を見出す

武蔵野美術大学出身者を取り上げるシリーズ第2弾。

今回は、美術家・大竹伸朗についてご紹介します。

大竹伸朗ってどんな人だろう?

大竹伸朗は1955(昭和30)年、東京出身。

1974年、武蔵野美術大学油絵科入学後すぐに休学。北海道・別海の牧場に住み込み、約1年間酪農作業・穴掘り作業などに携わった後、大学に復学。

1977年には、再び武蔵野美術大学を休学し、イギリスに滞在。ロンドンでアルバイトをしながら、創作活動をします。

1978年、武蔵野美術大学に復学し、1980年卒業。ノイズバンド「JUKE/19」のメンバーとして、自主製作のアルバムを発表。

1982年、初個展開催。

1980年代後半から、仕事場を妻の出身地である愛媛県宇和島市に移し、創作活動を行います。

1993年、絵本「ジャリおじさん」を出版。絵本だけでなく、多くの画集やエッセイ集も出しています。

2006年、東京都現代美術館で個展「大竹伸朗 全景 1955-2006」を開催。

2009年、翌年の瀬戸内国際芸術祭に向け、直島に銭湯「I ♡ 湯」をオープン。直島には、家プロジェクトの「はいしゃ」などの作品も常設展示されています。

2010年「光州ビエンナーレ」出品、2012年「ドクメンタ」出品、韓国での個展、2013年「ヴェネツィア・ビエンナーレ」出品など、海外でも活躍。

2013年には、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館と高松市美術館で個展を同時期に開催。

2014年にロンドン、2016年にはシンガポールで個展を行っています。

大竹伸朗の作品の特徴って?

こういう作風と一口に言えないところが、大竹伸朗作品の特徴とも言えるかもしれません。

古紙やオブジェ、旅先での風景や人々との関わりなど、何かに創作意欲を刺激されて作品を生み出すことが多いアーティストです。

大竹伸朗が創作意欲を刺激されるのは、ざらっとした感触のあるもの、どちらかと言えば一般の人がいらないと思ったり、妖しげだと感じたりするもの。

宇和島駅のネオンライトや宇和島の造船所で制作した作品など地域密着型の活動も多く、その活動は、絵・オブジェ・音楽・絵本・エッセイ集など多岐に渡ります。

スクラップブックは40年前から続けている、ライフワークとも言える作品群です。

個人的な大竹伸朗作品との関わり

おそらく本屋の美術書コーナーで画集を見たのがはじめてだと思います。渋谷の古本屋で買った「カスバの男」を読んで、モロッコや北アフリカに少し興味を持っただけでなく、何かかっこ良いと思いました。

カスバの男

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その後、2002年か2003年に参加した「GEISAI」の会場のNADiffブースで、額入りのリトグラフを購入しました。ピンク色を中心として、水彩のように様々な色が混じり合ったとても色づかいがきれいな作品でした。

はじめて展示されている作品を見たのは、2006年、東京都現代美術館の全館で開催された個展の時です。入ってすぐの場所に展示されていたスクラップブック群は圧巻でした。

確か、会場のコメントには「翌日どういうふうに変わっているのか楽しみだから、寝る前に必ずスクラップブックに色を塗る」と書かれていたような気が。(10年以上前の記憶なので、間違いかも)

屋上に宇和島駅のネオンライトが展示されていたり、屋内にはバンドの音楽を聴くことのできるドーム状の場所があったり、現代アートというと難解なイメージですが、ただ楽しめばいいんじゃん、という感じのする展示でした。

その次に作品を見たのは、平塚市美術館で開催された、「画家たちの二十歳の原点」という展覧会です。

ここには、北海道から帰った直後に描かれた、部屋の壁に立てかけたレコードジャケットの絵2枚が展示されていました。

個展の際に見た作品のイメージと異なりシンプルでしたが、混色された白壁など、細部へのこだわりが見られる作品でした。

まだ行ったことがないので、直島の「I ♡ 湯」はいつか体験してみたいなと思っています。